シロアリの女王は寿命が長い?繁殖力がすごいのはなぜ? 知られざる生態を解説
「シロアリの女王アリって、どうしてあんなに大きいんだろう?」
「シロアリって、女王アリを1匹駆除すれば絶滅するの?」
家の木材を食い破る、恐ろしいシロアリの集団。
その中でもひときわ大きく、ぶよぶよとくびれのない体をしているのが女王アリです。
実はシロアリの女王アリには代わりがたくさんいて、女王1匹だけを駆除しても、繁殖は止まらないと知っていましたか?
シロアリの繁殖の核となる女王アリは、コロニー全体のために壮絶な生涯を送り、最期は悲しい終わりを遂げるのです…。
この記事では、そんな知られざる女王アリの生態から役割までを、まるごと解説します!
- シロアリの女王の生態
- シロアリの分類と駆除方法
- シロアリのコロニーにおける女王の役割
- シロアリの女王の繁殖力
それではさっそくまいります。
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この記事を監修した住宅の専門家
住宅建築の専門知識とスキルを活かして、お客さま1人1人にあった
リフォーム提案をする「リフォーム提案士」の資格保有者。現在はシロアリ
問題を解決するため、住宅アドバイザーとして活動中。
シロアリの女王の生態
シロアリの女王は、見た目、寿命、コロニーでの役割…、どれをとっても他のシロアリとは異なります。
そんな女王アリの生態を、4つの視点から見ていきましょう。
(1)シロアリの女王はでかい
シロアリの女王は、成長すると腹部だけで1cm以上の大きさになります。
ご家庭でよく見られるヤマトシロアリとイエシロアリは、女王アリと羽アリとで約3倍のサイズ差があるのです。
ヤマトシロアリ |
イエシロアリ |
|
---|---|---|
女王アリの大きさ |
15mm〜 |
30〜40mm |
羽アリの大きさ |
5〜7mm |
7〜8mm |
職アリの大きさ |
3〜5mm |
4〜6mm |
他のシロアリとは見た目や太さがまったく違うので、ひと目見ただけでどれが女王アリかすぐにわかると思います。
頭こそ他のシロアリと同じですが、腹部は寸胴で、節々はまったくくびれていません。
たとえるなら、カブトムシの幼虫のような見た目と言えるでしょう。
なぜこのような姿形になるかというと、女王アリの腹部にはつねにたくさんの卵が入っていて、体節を繋ぐ膜が伸び切った状態だからです。
シロアリの女王の色や羽の有無は個体差がある
「シロアリの色は必ず白色」と思われがちですが、世界には白や茶褐色、黒など、地域によってさまざまな色があります。
女王アリも同様に、地域によって個体差があります。
ただし女王アリは代替わりするため、以前は羽があったシロアリも、女王として君臨すると同時に羽が無くなります。
(2)シロアリの女王は食事を運ばせる
シロアリは木を主食にする虫で、女王アリも他の役職のアリも同じものをエサとして食べます。
具体的には、樹木の大部分を占めるセルロースという成分を分解して取り込むのです。
女王アリが女王として君臨してからは、原則として巣から出ることはありません。
自分で食事をとってくることはせず、「職アリ」と呼ばれるアリ達に食事を運ばせます。
女王アリは巣の中心に部屋を持ち、職アリの運ぶエサを待ちながら、兵アリに守られて安全に暮らす…というと、なんだか優雅な暮らしに聞こえますよね。
(3)シロアリの女王は寿命が長い
女王アリの寿命は約10年ほどです。
ほかの職アリや羽アリの寿命は約2年ほどなので、比較すると恐ろしく長いですね。
しかし10年もの長期間、ただ食べ物を運ばせて優雅に暮らしているかというと、そうではありません。
職アリにエサをもらいながら、毎日卵を休みなく産み続けるのです。
(4)シロアリの女王は繁殖力がすごい
シロアリの女王が恐ろしいのは、何よりもその繁殖力です。
毎日25個以上の卵を休みなく生み続けるのです。
ほかの昆虫なら、1度産卵すると次の産卵までに一定の休息を設けますが、シロアリの女王アリにそのようなインターバルは存在しません。
また、日本にはまだ上陸していませんが、熱帯地域には1日に5万個もの卵を生むシロアリも存在します。
女王アリの驚異の繁殖力により、最初は数匹しかいなかったシロアリが、またたく間に5,000匹を超える大所帯になっていて、家の木を食い荒らしていた……ということもあり得るのです。
くわしくは後述しますが、シロアリのコロニーの中で卵を出産できるのは、1匹女王アリだけではありません。
- 副女王アリ(単為生殖で生まれた、スペアの女王アリ)
- ニンフ(羽が生える前の羽アリ)
- 羽アリ(別のコロニーを作る、新しい女王アリの候補)
これらのシロアリも、女王アリ同様、役割が回ってくれば卵を生むようになります。
シロアリはゴキブリの仲間
シロアリの女王アリだけを駆除しても意味がない理由、わかっていただけましたか?
シロアリの恐るべき繁殖力を知った方の中には、「クロアリと似ているのに、なぜこんなに生態が違うの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。
それもそのはず。
クロアリはハチの仲間(ハチ目スズメバチ上科・アリ科)ですが、シロアリはゴキブリの仲間(昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科)。
名前こそ似ていますが、実はまったく違う種類の生き物です。
そのため、駆除する際の殺虫剤も、クロアリとシロアリでは違う成分が入ったものを使います。
今から約40年前、1986年までは、「クロルデン」に代表される有機塩素系の薬剤が主流でした。
有機塩素系薬剤の効果は絶大でしたが、ニオイがきつく、何より土壌汚染につながることから、現在は使われなくなりました。
その後、建築基準法の改正を経て、現在は人体への被害の少ない薬剤が主流になっています。
現在使われているシロアリ駆除剤にも、ネオニコチノイド系薬剤、合成ピレスロイド系薬剤、ホウ酸系など、いくつかの種類があります。
私たち業者は、シロアリが出た場所や、おうちの状態によって、さまざまな薬剤を使い分けるのです。
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シロアリのコロニーにおける女王の役割
先ほどお伝えしたとおり、シロアリの女王は特別な存在として、巣の中で子どもを育てます。
では、たくさんのシロアリ達はどのように役割を分担し、数を増やしているのでしょうか?
この記事の冒頭で「女王1匹だけを駆除しても、繁殖は止まらない」とお伝えしましたよね。
ここではその理由について、女王アリの役割とともにくわしく解説します。
シロアリの女王には代わりがいる
シロアリのコロニーには、女王アリだけでなく、副女王アリが存在します。
最初の女王アリが死んだら、副女王アリが代わりを務める仕組みになっているのです。
さらに、副女王アリが死んだ場合も、あとを継ぐための幼虫がたくさん待機しています。
シロアリの女王アリだけを駆除しても、繁殖が止まらないのはこのためです。
シロアリの組織図と女王アリへの道
シロアリのコロニーは、まず女王アリと王アリ、外敵から巣を守る兵アリ、まだ役割の決まっていないニンフ、そして9割を占める職アリで成り立っています。
ほかにも、繁殖期になると「羽アリ」が増えますが、羽が生える前の羽アリはニンフと呼ばれ、職アリとして働きます。
シロアリの中で食べ物を取ってこられるのは職アリだけ。
他のシロアリ達は、すべての食べ物を職アリに依存しなければなりません。
羽が生えたニンフは「羽アリ」となり、別の巣にいる羽アリとペアになるために、既存の巣から飛び立ちます。
羽アリの中でも、とくに飛ぶ力が強く、営巣能力の高い羽アリだけが、新たなコロニーの女王アリ・王アリになれるチャンスがあるのです。
シロアリには女王だけでなく王もいる
シロアリの組織の中には、女王アリとともに子供をつくる王アリも存在します。
女王アリと王アリがつがいとなり、巣に君臨することで、ニンフや兵アリ、職アリなど、たくさんのアリを生むことができるのです。
王アリも女王アリと同様、産卵のためだけに存在する階級で、コロニーの中に1匹だけ存在します。
王アリも自分から食物をとることなく、女王アリとともに子供を作り続ける、まさに繁殖のために存在する階級です。
しかし女王アリ同様、王アリにも副王アリやニンフといった代わりが存在するので、王アリ1匹がいなくなったからといってコロニー全体が絶滅することはありません。
シロアリの女王の悲しい最期
シロアリの女王は、生殖能力がなくなると役割を終えます。
新たな女王に役割をゆずり、生きたまま体を子ども達に食べられて、養分となって死んでしまうのです。
シロアリの女王は、繁殖のためだけに10年もの歳月を費やし、そのうえ悲しい最期を遂げるという、どこか寂しい存在なのです。
最後に:女王アリだけを駆除するのではなく、シロアリ全体が住めない家に
この記事の重要なポイントをまとめてみました。
- 女王アリは寸胴で体が大きいので、ひと目で見分けられる
- シロアリの女王アリは長生きで、1日25個以上もの卵を10年間にわたって生み続ける
- 女王アリには代わりがいるので、女王だけを駆除しても意味がない
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- ドアや引き戸の閉まりが悪い
- 家で羽アリや小さな虫の羽を見かけた
- 外壁にヒビや腐食、蟻道がある
- 前対策をしてから5年以上たった
- 庭など周辺に木材が放置されている
- 壁や柱を叩くと空洞音がする
- 木の塀やウッドデッキがある
1つでも当てはまったら、シロアリがいるかも…と疑ったほうがいいでしょう。
シロアリ対策では、女王アリだけでなく、シロアリ全体が家に住めないようにすることが大切です。
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