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シロアリ駆除に保険は使える? 知らないと損する保険と控除の仕組み

シロアリ駆除の知識
2021.5.17 更新
シロアリ保険について考える女性

「シロアリ被害に保険はあるの?」
「シロアリ駆除の費用を安く抑えたい!」
「保険の申請や確定申告って難しそう。カンタンな手順を知りたい…」

 

こんにちは!みんなのシロアリ駆除屋さんの山川です。
シロアリ被害に遭ったとき、「保険適用で修繕費用を安くできないかな?」と考える人は多いですよね。

残念ながら、日本にはシロアリ被害専門の保険は存在しません…。
ですが実は、住宅リフォームの保険や確定申告の控除を利用すれば、シロアリ駆除の費用を大幅に抑えることができるんですよ!

たとえば私が担当させていただいた事例ですと、シロアリ駆除+床板の張替え工事をあわせて「200万円以上の見積りが出た」というお客さまがいらっしゃいました。
床や壁にもシロアリ被害が進んでいて、大規模な修繕が必要だったのです…。

この方が、後述する「施工会社の保険・保証」「雑損控除」を試したところ、出費を20万円ほど下げることができたそうです!
このように、少しの手間を加えることで、10万円単位のお金が戻ってくることがあるんですよね。

とはいえ、「控除や申告と聞くと、手続きが難しいイメージがある…。」という方は多いはず。
住宅関係のローンや還付金の申請をしたことがない方にとっては、建築関係の法律やルールは、とっつきにくい印象がありますよね。

この記事では、そんな複雑で難しいイメージがあるシロアリ駆除の保険について、画像を交えてわかりやすく解説いたします!
それではさっそくまりましょう!

この記事を監修した住宅の専門家

この記事を監修した住宅の専門家

住宅リフォームのスペシャリスト中川

住宅建築の専門知識とスキルを活かして、お客さま1人1人にあった
リフォーム提案をする「リフォーム提案士」の資格保有者。現在はシロアリ
問題を解決するため、住宅アドバイザーとして活動中。

リフォーム提案士取得

シロアリ被害で使える保険・保証一覧

シロアリ保険・保証一覧

シロアリ被害に遭った人がよく思い浮かべる保険と、あまり知られていないけれど存在する保険制度を一覧にまとめてみました。

次の表をご覧ください。

名称 適用条件・金額・注意点
1. シロアリ専門の保険 存在しない
※近い保険に「シロアリ損害担保特約」がある
シロアリ損害担保特約を加算した場合の保険料は24,960円(※主契約込みで77,830円)
保険金額は最大200万円(※主契約の保険金額は500万円)
2. 火災保険 ほとんど適用できない
シロアリ被害が自然災害に該当すると証明出来る場合のみ適用されるが、ほとんどの場合使えない
3. 施工業者の保証・保険 リフォーム会社・ハウスメーカー・シロアリ駆除業者が設定していることが多い
「5年保証」を設定している会社が多い。「保険」の場合、
4. 自治体の補助金 適用できるかどうかは、住んでいる地域による
自治体が「害虫駆除補助金」を設定している場合に限る
5. リフォームローン(ローン減税) リフォームと同等の修繕が必要な場合に使える
※融資金額最大500万円〜
(ローン減税:控除額最大200万円〜
担保型と無担保型、リフォームローンと住宅ローンなど、申請する対象によって融資金額が変わる。(工事費が100万円を超える…など、申告の条件がある)
6. 確定申告の「雑損控除」 1. 「差引損失額」-「総所得金額等」×10%
2. 「差引損失額のうち災害関連支出の金額」-5万円


上記2パターンのうち、金額が高いほうが適用される
シロアリの駆除と修繕にのみ適用される。シロアリ予防には使えない

基本的には、複数の保険・保証を同時に使うことができます。

それぞれの注意点は、個別のトピックでくわしくお伝えしますね。
どのようなメリットがあるのか、順番に見ていきましょう!

1. シロアリ保険は存在しない!近い保険はある?

シロアリ保険の注意点

冒頭でもお伝えしたとおり、シロアリ専門の保険は残念ながら存在しません。
ただ、シロアリ保険に近いものは存在します。

株式会社住宅あんしん保証という会社が、保険のオプションとして「シロアリ損害担保特約」というものを設定しています。

この特約は、単純にシロアリ被害のすべてを補償する保険ではありません。
使えるのは、住宅にシロアリが発生したことが理由で、住宅に損傷が起こった場合です。

中古住宅売の購入者に向けて、保険金を支払うという内容の瑕疵保険になっています。

保険金を支払う主な場合 保険対象住宅にシロアリが発生したことにより、損害が発生した場合の損害(以下、シロアリ事故)について、保険金を払います。
保険期間 保険対象住宅の引渡し日
保険金額 200万円(※主契約の限度額とは別に設定)
免責金額 なし
縮小てん補割合 100%
対象とするシロアリの種類 ヤマトシロアリおよびイエシロアリ(アメリカカンザイシロアリなど他のシロアリは対象外)
保険金を支払わない主な場合 シロアリ事故が発見されたときに「生存したシロアリ」が確認されない等により、保険対象住宅の損傷すべてが保険期間前に発生していたと認められる場合は保険金をお支払いできません。

シロアリ損害保険特約の付帯要件

シロアリ損害担保特約を利用するには、保険会社によるシロアリの現場検査を受けたうえで、次の条件を満たす必要があります。

  1. 戸建住宅であること
  2. 浴室がユニットバスであること
  3. 建物の外部から基礎立ち上がり部分の表面が目視できること
  4. 住宅全体の床下の状況を確認できること
  5. 基礎立ち上がり部分に断熱材が施工されていないこと
  6. シロアリ現場検査に合格すること

また、該当地域も東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県のみが利用可能エリアになっています。
希望すれば誰でも加入できる保険ではない…ということがわかりますね。

続いては、戸建ての家主のほとんどが加入している「火災保険」を見てみましょう。

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2. シロアリ被害で火災保険は使える?

火災保険の注意点
火災保険は住宅トラブル全般に使える保険だし、シロアリ被害にも適用されるんじゃない?

このような考えを持つ人は多いですよね。
火災保険とは、お家が火事にあったときだけでなく、風災、雪災、雹災など、さまざまな自然災害由来の損害に適用される保険です。

しかし残念ながら、シロアリ被害に火災保険が適用される可能性は、ほとんどありません。

理由としては、自然災害由来のシロアリ被害事例が少ないからですね。
たとえ木製の家具がシロアリ被害に遭っていたとしても、それが自然災害による影響だと証明できなければ、火災保険の対象にはならないのです…。

もし仮に、風や雪といった自然災害から生じた「雨漏り」が原因で、シロアリ被害が始まったと証明できれば、火災保険が適用される可能性があります。
ですが…Before Afterの証明写真を用意して、論理的に説明できない限り、適用は難しいと考えてよいでしょう。

ちなみに、「家財保険」「地震保険」も、シロアリ被害には適用されません。

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3. 施工業者が設定する保険・保証を使う

施工会社の保証・保険の注意点

3つ目の選択肢は、リフォーム会社や住宅メーカー、シロアリ駆除業者などの施工会社が設定している保険・保証を利用する方法です。
こちらは申請対象となるお家が多いと思います!

新しい家に移り住むときに、シロアリ予防のための消毒(薬剤散布による防蟻処理)を施工されることが多いですよね。
このような施工には、それぞれの会社が「シロアリ損害賠償保証」を設定していることがあります。

保証があれば、期間内にシロアリが発生した場合、無料で再施工してくれたり、かかった費用を請求できるのです。

ただし、施工会社によって、保証内容には差があります。
たとえば…

  • ヤマトシロアリとイエシロアリの被害のみが保証の対象となる
  • 建物補修金額の上限は300万円以下

などなど…。
各社の保証内容がどうなっているかは、現地調査・契約の際に確認しておきましょう。

「保証」と「保険」の違い

シロアリ保証と保険の違い

シロアリ「保証」「保険」の意味の違いも押さえておきましょう。

「保証」とは、たとえば「施工から5年間の内にシロアリによる被害が再発した場合、無償で再施工を行う」という取り決めのことです。
シロアリ保証を設定している企業は、基本的に「被害箇所を修繕するための費用は負担しません」というスタンスだと考えてよいでしょう。

「5年保証」を謳っている会社が多いのは、国から認可された薬剤の効果持続期間が「5年間」だからですね。
逆に言うと、施工から6年目以降は薬剤の効果が切れるため、再施工と支払いが必要になります。

一方、「保険」とは、施工業者が損害保険会社と契約していて、施工に不備があれば、保険料を支払う仕組みのこと。
つまり保険を設定している企業は「施工後にシロアリ被害が再発した場合、再駆除はもちろんのこと、その部分の修復に費用も保証しますよ」という姿勢なのです。

リフォーム会社やハウスメーカーの新築工事では、この手の「保険」を設定しているところがありますね。

1点注意してほしいのですが、施工会社のシロアリ保険では、家主が受け取る保険料(修繕費)が高額になると、大本の保険会社による立ち入り調査が入ります。
調査によって業者の過失が問われた場合、保険金が満額下りない可能性があるのです。

その場合、「負担額を誰が支払うか」で揉めるケースがありますので、注意してください。

続いては、あなたが住んでいる自治体の補助金制度を見てみましょう。

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4. シロアリ被害に自治体の補助金が下りるって本当?

自治体の補助金の注意点

地域によっては、シロアリ駆除に自治体の補助金が下りる可能性があります。
ただし、数10万〜数100万円といった大金ではなく、1万〜2万円程度が限度のようですね。

この制度は、シロアリだけでなく、ゴキブリやカメムシ、ハエ、スズメバチなどの虫の駆除に保険金が下ります。

注目してほしいのは、あなたの住む地域に「害虫駆除補助金」という制度があるかどうかです。
害虫駆除補助金制度を採用している自治体を見てみましょう。

たとえば、高知県香美市では、駆除にかかった費用に対して、最大10,000円の補助金が交付されます。
申請の条件は次の通りです。

  • 市内にある一般住宅、集合住宅及び集会所等の建物の所有者等(ただし法人を除く)
  • 市税を滞納していない
  • 駆除業者により害虫の巣を駆除する
  • 補助金の支給額は駆除費用の1/2で、最大10,000円の支給
  • 申請者1人につき、同一年度において1回限り

シロアリ業者に依頼してから、約90日の間であれば補助金を申請できます。
 

また、兵庫県でも、「インスペクション(建物状況調査)」という取り組みを実施しています。
これは住宅の劣化や被害を建築士が目視点検し、被害が見られる場合には最大25,000円の補助金が下りる制度です。

引用:シロアリ駆除の費用はいくら?業界の「中の人」が実際の相場を教えます!(別窓で開きます)

ほかにも、神奈川県横須賀市が羽アリに関する相談を受け付けています。
家屋から羽アリが出た場合、保健所生活衛生課で相談を受け付けているほか、保健所まで羽アリを持っていけば、シロアリかどうかを確認してくれるとのこと。

あなたが住んでいる地域が、このような制度がないかどうか。
下の検索サイトを使って、ぜひ自治体のホームページをチェックしてみてくださいね!

全国自治体マップ検索|地方公共団体情報システム機構(別窓で開く)

続いては、シロアリによってリフォームがと同等の支払いを控えた方にオススメしたい、「リフォームローン」と減税制度について説明しますね。

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5. シロアリ被害で使える「リフォームローン」って何?

リフォームローンの注意点

リフォームローンとは、一定のリフォーム・改築工事で使えるローンのこと。
金融機関からの借り入れでは、一般の住宅ローンよりもいくらか割のいい金利が設定されているため、使ったほうがおトクになる場合があります。

金利とは、元金に対する利息の割合のことで、金融機関に支払うレンタル料がパーセンテージで表されています。
つまり金利の%数が低いほど、少ない利息でおトクにお金を借りられるというわけですね。

たとえば、築20年以内の中古住宅を購入した方で、シロアリ被害が発覚した。床や壁の修繕をあわせると、100万円〜500万円程度のお金がかかる…という場合。

高額の支払いでは、分割払いを選ぶ方が多いですよね。
そんなとき、「リフォームローン」を使うと、金利を抑えることができますよ!
 

たとえ家屋の修繕に瑕疵担保責任保険や補助金が適用できなかったとしても、リフォームローンの金利で負担が減ると考えれば、少し前向きな気持ちになれますからね。

そんなリフォームローンには、無担保型と有担保型の2種類があります。
※「担保」とは、お金を借りる際に、貸主に予め渡しておく資金のことです。

それぞれの条件は次のとおりです。

無担保型 有担保型
融資金額の上限 500〜1,000万円 1,000万〜1億円まで
融資期間 最長10〜15年 最長35年
金利相場 年2〜5% 年1%〜2%

無担保型のメリットは、返済期間が短く、少額をサクッと借りられること。
一方、有担保型は、一般的な住宅ローンに近い仕組みのため、長期にわたって高額を借り入れたいときに有効です。

シロアリ被害のような小規模リフォームでは、おそらく「無担保型」を選ぶ人が多いのではないでしょうか。

「リフォームローンに興味が出てきた」という方は、お近くの銀行や信託金庫、JAなどで1度相談してみましょう!
有名なところだと、次のようなリフォームローンがありますよ。

リフォームローン 金利優遇 借入金額
三菱UFJ銀行 ネットDEリフォームローン 年1.99%〜2.375% 50万円以上1,000万円以内(1万円単位)
みずほ銀行 みずほ銀行リフォームローン 年3.975~4.75% 最大500万円
イオン銀行 リフォームローン 年2.50%(固定金利のみ) 最大500万円

リフォームローンを申し込む方法

ローンの申請手順は、次の5段階です。

  1. 仮申し込み
    銀行や信託金庫、JAのホームページから、リフォームローンの仮申込みを済ませる。
    ※口座を持っていない場合、契約手続きまでに口座開設が必要です。
     
  2. 仮審査
    仮審査に承認された場合、メール通知が届きます。審査内容は企業によって異なります。
    ※自宅・勤め先に在籍確認の電話が届く場合があります。
     
  3. 本申し込み
    本人確認資料(原本/コピー)・ローンの使い道と振込先の証明資料・収入証明書を提出します。
     
  4. 本審査
    本審査に承認された場合、メール通知が届きます。審査内容は企業によって異なります。
    ※審査結果に関わらず、申し込み資料は返却されません。
     
  5. 契約
    来店または郵送にて、手続きを完了します。
    普通預金口座に借り入れ資金の入金があり、手続きは完了です。

リフォームローンと住宅ローンの違い

リフォームローンと住宅ローンの違い

ローンというと、リフォームではなく「住宅ローン」を連想される方も多いですよね。
両者の違いは次の通りです。

  • リフォームローン
    住宅の増改築や修繕などを目的とした、リフォーム時に利用できるローンのこと。
     
  • 住宅ローン
    リフォーム、新築工事を含む、住宅工事全般に利用できるローンのこと。借り入れ金額が大きい。

シロアリ被害に遭ったときに、リフォームローンではなく住宅ローンを利用することも、もちろん可能です。
それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

リフォームローン 住宅ローン
メリット
  • 担保が不要
  • 審査が通りやすい
  • 結果が出るのが早い
  • 手続きがシンプル
  • 借入金額の上限が高い
  • 返済年数を長期に設定できる
  • 金利が低い
デメリット
  • 借入金額の上限が低い
  • 返済までの年数が短い
  • 金利が高い
  • 担保が必要
  • 審査が厳しい
  • 審査結果が出るのに時間がかかる
  • 手続きが複雑

結論としては、トイレやお風呂場といった局所的なシロアリ被害(小規模リフォーム)では、「リフォームローン」を。
総額500万円〜数千万円がかかるような、リノベーションを含む大規模リフォームには、「住宅ローン」を利用するのがベストです。

具体的な事例を挙げると、次のような方にオススメです。

  • 築20年以内の物件に住んでいて、担保が残っている場合
    →無担保のリフォームローン(借り入れの最高額が小さい)(10〜20年ぐらい)
     
  • 築20年以上の大規模リフォームに利用、担保が残っていない場合
    →住宅ローン(35年)(担保する分、金利が安め)
それぞれのローンの方向性はわかったけど、金利の恩恵が少なすぎる…。おトクだと言われても、あまりおトクに感じない

そのような方のために、リフォーム減税の仕組みも説明しますね。

リフォーム減税、住宅ローン減税の仕組み

減税の仕組み

リフォームローンや住宅ローンを利用する場合、押さえておきたいのが、減税と控除の仕組みです。

実は、一定のリフォーム・改築工事を行って10年以上のローンを組むと、国に納めた所得税もしくはローン残高の約1%が帰ってくる(控除される)んですよ!

リフォームの減税制度には、次の2種類の控除が適用されます。

  1. 所得税の控除
  2. 固定資産税の減税

所得税の控除には「投資型減税」「ローン型減税」の2種類があります。
このうち、ローン型減税では、上で紹介したリフォームローンや住宅ローンが対象となるため、ぜひ活用したいところですね。

改修後に居住を開始した日 控除対象借入限度額 控除期間 (控除率) 最大控除額
平成21年1月〜22年12月末 5,000万円 10年 (1%) 500万円
平成23年1月〜12月末 4,000万円 400万円
平成24年1月〜12月末 3,000万円 300万円
平成25年1月〜12月末 2,000万円 200万円

減税を申請するには、以下のような条件があります。

  1. リフォームから半年以内に居住し、減税の適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること
  2. この減税を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること
  3. 工事費が100万円超であること
  4. 工事後の床面積が50平米以上となる工事であること
  5. 工事をした家屋の床面積の1/2以上が自己の居住用であり、その部分に係る工事費用の額が工事全体の費用の1/2以上であること
  6. 償還期間が10年以上の住宅ローンであること

▶くわしくはこちら:住宅ローン減税|国土交通省

補足ですが、住宅ローン減税の控除額(年度末のローン残高の1%)限界まで、すべてを所得税額から控除しきれない場合
その分の金額は、個人住民税から控除されます。

ただし、個人住民税からの控除額は、当該年分の所得税の課税総所得金額等の額に5%をかけた金額(最高9万7千5百円)が上限となります。

一方、中古住宅を取得する場合は、申請にあたって条件があります(耐火建築物は築25年以内でなければならない、それ以外の建物は築20年以内でなければならない…)。

このとき、建物が「現行の耐震基準を満たしている」という証明書、つまり「現行耐震証明書」があれば、制限が撤廃されますよ!

このような書類も、事前に用意できるとよいですね。
 

ローン減税を利用するには、年度末に確定申告をしましょう。

会社員の方の中には、「今まで確定申告をしたことがない…」という方もいるかもしれません。
ですが控除を受けたい場合は、「住宅を購入した・リフォームを行った」年に申告手続きをする必要があります!

次年度以降は、「住宅ローン残高証明書」を年末調整と一緒に会社に提出するだけでOKです。

続いては、ローンの減税や控除を使うほどの規模ではないけれど、小規模のシロアリ被害で使える「雑損控除」について解説します。

▼その他のトピックはこちら▼

6. 確定申告の「雑損控除」はシロアリ被害でも使える!

雑損控除の注意点

先ほど、リフォームローンと住宅ローンで「控除」が使えるという話をさせていただきましたよね。
 

ローンを使うほどじゃないけれど、支払いは最小限に抑えたい…

そんな方にオススメなのが、確定申告の「雑損控除」です!
国税庁は、シロアリ駆除を「害虫……その他の生物による異常な災害」と定めています。

シロアリによる被害は、所得税法施行令第9条《災害の範囲》に規定する「害虫……その他の生物による異常な災害」に該当し、修繕に要した費用及びそのシロアリを駆除するための費用は雑損控除の対象となります。

引用:シロアリ駆除の費用|国税庁

上手く申請すれば、翌年度に還付金として受け取れるお金が増えますよ!
上で紹介したローン減税は、リフォーム全般の節税対策。
一方、雑損控除は、害虫による被害全般の修繕で使える仕組みです。

ひとつ注意したいのが、雑損控除が使えるのはシロアリの「駆除」とそれに伴う家屋の「修繕」だけという点です。
シロアリの「予防」には適用されませんので、押さえておきましょう。

雑損控除として控除できるのは、次の計算式2つのうち、多いほうの金額になります。

  1. 「差引損失額」-「総所得金額等」×10%
  2. 「差引損失額のうち災害関連支出の金額」-5万円

「差引損失額」の計算の仕方は次の通りです。

  • 「差引損失額」=「損害金額」+「災害関連支出の金額」-「保険金などにより補てんされる金額」

雑損控除の事例

駆除費用が20万円、被害を受けた際の修繕費が20万円、総所得額が250万円だった場合で考えてみましょう。
※下記の計算式は、保険などからの補てんがまったくない場合を想定しています。

  1. 「駆除費20万円」+「修繕費10万円」-「総所得額300万円×10%」=5万円
  2. 「駆除費20万円」+「修繕費10万円」- 5万円=25万円

「2」の計算式のほうが数字が大きいので、この場合は25万円が控除できる金額となります。
 

このように、ローンを使うほどでもないシロアリ被害や、小規模リフォームでも雑損控除を使えるのでオススメです。

雑損控除の申告方法

雑損控除の申告方法についてもお知らせします。

  1. 事前に「確定申告書」「シロアリ駆除の領収書」「源泉徴収票」の3点を準備する
  2. 確定申告の期間中に、税務署窓口で書類を提出
  3. 後日、税金の還付額が入金される

基本的には確定申告の書類提出の際、「雑損控除」の欄にシロアリ駆除にかかった費用をしっかりと記載しておくだけです。

雑損控除の条件・注意点

控除を受け取る条件、注意点はこちらです。

  • 損害を受けた建資産の所有者が納税者であること。または納税者と生計をひとつにする配偶者やその親族で、その年の総所得金額が38万円以下のもの。
     
  • 損害を受けた資産が生活に必要な住宅や家具、衣類などであること。事業用の資産(別荘などの不動産やゴルフ会員権など)、貴金属や書画、骨董など1個の金額が30万円を超えるものなど、日常生活に必要でないものは当てはまらない。
     
  • シロアリ駆除の領収書を必ず保管しておくこと。
     
  • 申告の対象はシロアリ駆除のみであり、「予防」は適用外。駆除と予防が一つになった「予防駆除」を行う場合は、駆除と予防の項目で領収書を分ける必要がある。

審査に通れば、日常的に使っている家具や家財の修繕にも適用される可能性がありますね。
小規模のシロアリ被害に遭った方にとって、かなり嬉しい制度だと思います!

まとめ:お金の仕組みを知って賢くシロアリを駆除しよう!

最後に、この記事で紹介した6つの制度を振り返ってみましょう。

シロアリ被害で使える保険と制度まとめ
  1. シロアリ専門の保険
    厳密には存在しないが、似た保険に「シロアリ損害担保特約」がある。保険料は24,960円、保険金額は最大200万円(※主契約込みで77,830円、主契約の保険金額は500万円)。
     
  2. 火災保険
    あまり使えない。シロアリ被害が自然災害によるものだと証明できなければ、適用されない。
     
  3. 施工業者の保証・保険
    業者によって条件が異なる。薬剤の持続期間を表した「5年保証」、シロアリ損害賠償保証などがある。
     
  4. 自治体の補助金
    住んでいる地域による。自治体が「害虫駆除補助金」を設定している場合に限り、だいたい1〜2万円の補助金を申請できる。
     
  5. リフォームローン(ローン減税)
    家屋修繕でローンを組む場合に使える。シロアリ被害により、リフォームと同等の修繕が必要になった場合、金融機関からの借り入れによって発生する金利を2〜3%に抑えられる。500万円以上の大規模リフォームの場合、住宅ローンを利用したほうが得になることも。

    一方「ローン減税」とは、上記の方法で10年以上のローンを組んだとき、国に納めた所得税もしくはローン残高の約1%が帰ってくる(控除される)仕組みのこと。
     
  6. 確定申告の「雑損控除」
    ローンを組むほどではないが、シロアリ被害が発生したときにも使える。「差引損失額付金」から総所得額あるいは災害関連支出を引いた金額が、還付金として返ってくる。予防ではなく「駆除」と「修繕」の場合のみ利用できる。

これらの制度を利用して、賢くおトクにシロアリを駆除してくださいね!
また、シロアリ関連の法律や日本で取り扱っている薬剤全般の相談窓口も記載しておきます。

シロアリ被害全般の相談窓口

シロアリ駆除業者が使う薬剤を認定している機関「日本しろあり対策協会」では、一般消費者の方に向けて、相談窓口を開いています。

消費者相談窓口(別窓で開きます)

シロアリ駆除の法律に関する質問や、協会が認定した薬剤についての疑問がある方は、こちらから相談してみてくださいね。

そして最後に…、お家のシロアリ駆除を検討している方は、ぜひ私たちみんなのシロアリ駆除屋さんにお問い合わせください!
シロアリがいるかどうかを調べる現地調査を無料で実施し、現状とお見積りをご報告させていただきます。

▼電話でのお問い合わせ▼
050-3132-0118
※無料相談・年中無休

みんなのシロアリ駆除屋さんには、リフォームローンや税金の申請にくわしいスタッフが揃っております。
今回の記事を読んでわからないことがあれば、現地調査や駆除の際に、担当職員に相談していただきたいです。

「自治体の害虫駆除補助金を使いたいんだけど、領収書をくれますか?」
「確定申告の書類に、この紙を貼り付ければいいんですか?」

…などなど、手続きでわからないことがあれば、ぜひ確認してみてくださいね!

それでは、あなたがシロアリ駆除の支払いを安く済ませられるよう、祈っています。
ありがとうございました!

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