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「シロアリ消毒は本当に必要ですか?」 私が家族・親戚にもシロアリ消毒を勧める理由 福岡県 T.O

シロアリ消毒の必要性を教えてください。

私は現在、築20年の家に住んでいます。
これまでシロアリ予防のために、定期的に消毒をしてもらっていました(たしか5年おきだったと思います)。

しかし今までシロアリが出たことなんて1度もないし、毎回の消毒費用もバカになりません。
ご近所では「シロアリ消毒をしている」というお家を見たことがないので、うちだけやる意味があるのかな…と気になり始めました。

シロアリ消毒って、本当に必要ですか?
やらない場合のリスクも教えてください。

(福岡県 T.O)

たしかに、シロアリ予防(消毒)を1度もやらないお家もあります。しかし、お家を守るためには定期的に消毒することをオススメします!

シロアリ消毒を1度もやらない場合のリスク

こんにちは!みんなのシロアリ駆除屋さんの山川です。
シロアリ消毒についてのご相談ですね。

まず質問者さんは、1度もシロアリ被害に遭ったことがなく、ご近所でシロアリ消毒をしているお家を見たことがない、とのこと。
たしかに、新築から20年、30年経ってもまったく消毒をせず、にもかかわらず被害に遭わないお家もあります。

しかし逆に、5年間の消毒保証がきれたとたんに、シロアリ被害に遭うお家もあるんです。

また地域によっても、シロアリ被害の件数に大きな差があります。
たとえば千葉県以南の太平洋側の地域ではシロアリ被害の年間被害報告がしばしばあるのに対し、北海道北部ではほとんど見受けられません。

…なんだか理不尽な感じがしますね。

シロアリ消毒が必要かどうかは、家主の方の考え方や経済状況、住んでいる地域によって変わってきます。

5年ごとにするか、6年ごとにするか、それとも、床下点検は継続しながら当面見送るか、被害に遭ってからにするか…これらはあなたのお家に対する考え方次第なのです。

それでも私は質問者さんに、定期的にシロアリ消毒をしておくことをオススメします。

現に私は、こうしてシロアリ駆除業者の職員として働いていますが、住宅との向き合い方に信念を持っているので、私の家族、そして実家である九州の両親にも、「できればシロアリ消毒をしておいたほうがいい」と個人的に呼びかけています。

私がこのように考える理由は3つあります。

  • 定期的なシロアリ消毒によってお家が長持ちする
  • シロアリ被害に遭ってから修繕するよりも、定期的に消毒をしたほうが安く済む
  • シロアリ消毒をすることで、間接的にお家の耐震性が上がる

記事の本文で、上記3つの理由を具体的に解説したいと思います。

▼この記事で紹介する内容一覧▼

そもそも一般の方は、「なぜシロアリ消毒は5年に1度なのか」「シロアリ被害に遭うと、具体的にいくらお金がかかるのか」といった業界事情をご存知ないですよね。
これでは不審感を持たれても仕方がありません。

そこで今回の記事では、現代日本の建築事情をしっかりとお伝えし、そのうえでシロアリ消毒の必要性について考えていただきたいなと思っています。

あなたがシロアリ消毒の実態を知り、納得感を持ってお家と向き合えますように。
それではさっそくまいりましょう。

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この記事を監修した住宅の専門家

この記事を監修した住宅の専門家

住宅リフォームのスペシャリスト中川

住宅建築の専門知識とスキルを活かして、お客さま1人1人にあった
リフォーム提案をする「リフォーム提案士」の資格保有者。現在はシロアリ
問題を解決するため、住宅アドバイザーとして活動中。

リフォーム提案士取得
 

シロアリ消毒は「予防歯科」と同じ?

シロアリ消毒と予防歯科


シロアリ消毒はよく「予防歯科」に例えられます。

昔の日本では、歯が痛くなったら歯医者に行こう、虫歯は削って、差し歯や銀歯に変えようという考え方でした。

しかし今の日本では、2ヶ月に1度は歯医者で点検してもらい、なるべく虫歯の無いキレイな歯を維持しよう、という考え方にシフトしていますよね。

お家とシロアリ消毒の関係も、それとまったく同じです。

シロアリ予防の定期消毒にはお金がかかりますが、シロアリ対策を一切せずに、畳やフローリングをダメにしてしまうと、これらの交換だけでざっくり600万円以上のお金が飛んでいきます。

そう考えると、定期的なシロアリ消毒は、長期目線ではお家を安く維持することにつながるのです。

シロアリ消毒をしないとどうなるの?

シロアリ消毒をしたお家としないお家とでは、決定的な差が出ます。
具体的には、次の2点です。

  1. シロアリ消毒をしないと、高額な費用がかかる
  2. シロアリ消毒をしないと、お家の耐震性が下がる

それぞれどういうことか、具体例を交えて説明しますね。

1. シロアリ消毒をした場合としなかった場合のコスト比較

シロアリ消毒をした場合としなかった場合にかかる費用の差


定期的なシロアリ消毒をした場合と、しなかった場合のコスト比較も見ておきましょう。

前提として、1回あたりのシロアリ消毒には、平均して約30万円ほどお金がかかります(床面積30坪相当の一軒家の場合です)

シロアリ消毒の基本料金についての考え方は、後ほど別のトピックで説明します(今すぐ読みたい方はコチラ)

定期的にシロアリ消毒をした場合

1回30万円のシロアリ消毒を5年に1度のペースで行った場合、20年間で120万円
6年に1度のペースで行った場合、20年間で90万円になります。

少なくともこの間は業者のアフター保証がありますので、シロアリ被害が広がる可能性は低い、と考えていいでしょう。

一方、シロアリ消毒を1度もしなかったお家ではどうでしょうか。

1度もシロアリ消毒をしなかった場合

たとえば築40年の木造物件で、長期間お風呂場の排水パイプの水漏れに気付かず、床下の木材が腐り、そこにシロアリの巣を作られてしまった場合。
 

築40年の木造物件の風呂場と廊下、お手洗い


当社もこのようなお家からご相談を受けことがありますが、お風呂場だけでなく、隣接したトイレ、その隣の台所…という風に、かなり被害が拡大してしまった後でした。

6月の梅雨の時期に浴室とトイレの床下から羽の生えたシロアリがブワッと湧いてきたことで、家主の方はやっと事態に気付いたそうです(想像するだけでも、気持ちの悪い光景ですね…)

このようなお家の場合、単純なシロアリ駆除だけでは対応しきれません。
完璧に修繕するには、浴槽の壁の交換と床の張り替え、排水パイプの修繕、床下基礎の修復が必要でした。

私たちはシロアリ駆除だけ担当させていただき、その後はリフォーム会社にバトンタッチする形で現場を離れました。

あとで聞いた話ですが、修繕を含めたトータル費用は、600万円台にものぼったそうです…。
シロアリ被害を放置すると、定期的なシロアリ消毒とは比べ物にならないほど、お金がかかることがわかりますね。

費用(延坪30坪/㎡)
5年に1度シロアリ消毒をした場合

初回:30万円
20年目:120万円
40年後:240万円

6年に1度シロアリ消毒をした場合 初回:30万円
20年目:90万円
40年後:180万円
1度もシロアリ消毒をしない場合 〜20年:0円
40年後、初めてシロアリの被害が発覚:600万円超

ここで少し、シロアリ対策の外側にある「お家とリフォームの関係」について抑えておきましょう。

現代の日本住宅はリフォームが大前提
新築後30年間のお家のリフォーム目安


そもそも、現代日本で一軒家で暮らすならば、定期的にリフォームをすることが前提となっています。

具体的なリフォームの検討目安は、次の通りです。
(※床面積30坪、2階建ての鉄筋住宅の場合です)

築年数 検討するべきこと
築10〜15年 費用:60万〜120万円
(全面塗装の場合)

・外壁塗装、屋根塗装

築15〜20年 費用:5万円〜30万円
(細かい修繕の場合)

・外壁の亀裂や劣化の修繕、屋根材の交換
・トイレ、風呂、給湯器、台所の部品点検と交換
・リビングの扉の立て付け点検と交換

築20〜25年 費用:10万〜100万円
(面積による)

・窓の交換
・壁紙のクロス張替え
・フローリングの張替え

築30年〜 費用:100万〜300万円
(基礎リフォーム)

費用:800万〜4,000万円
(増築、フルリフォーム)

・基礎の見直し(耐震補強)
・増改築、間取り変更

日本の近代住宅は、だいたい築30年あたりから老朽化が始まり、耐震性が弱くなってきます。
 

だいたい築30〜40年経ったあたりで、バリアフリーや2世帯住宅など、ライフスタイルにあわせた大規模リフォームを検討される方が多いですね。

建設から30〜40年経ったら、基礎構造(お家を支える床下の構造)を見直すことで、50年、100年…と、同じ土地で長く暮らすことができるのです。

ただし、シロアリ消毒をしてこなかったお家の場合、この限りではありません。
通常のリフォーム費用にくわえて、修繕費やシロアリ駆除費が加算されるからです。

先ほどご紹介したお家は、シロアリの駆除と修繕だけで600万円以上のお金をかけていました。

お家との向き合い方によっては、外壁や内装を好きなテイストにしたり、耐震・防音を強化したりと、予算を自由に使えたはず。
にも関わらず、シロアリ対策をしてこなかったばかりに、修繕のためだけにお金をかけてしまうのは、非常にもったいないことです。

「シロアリ消毒に興味が出てきた」「もっとくわしく知りたい!」という方は、ぜひ私たちみんなのシロアリ駆除屋さんのサービス紹介ページをご覧ください。
基本料金、施工のようす、お客さまからいただいた声を画像つきで紹介しています!

続いては、シロアリ被害と耐震性の問題を見てみましょう。

2. シロアリの存在によって家の耐震性が下がる?

日本は地震の多い国です。
住宅の耐震性は建築業界の課題であり、より地震に強い、倒れにくい家にするために、建築業界はどんどん進歩しています。

とくに家の屋台骨とも言える「基礎」の部分は、大地震が起きるたびに既存のものを改良し、新しい工法が編み出されてきました。(ベタ基礎、基礎パッキン工法、ツーバイフォーetc.…)

ですが、せっかく耐震性の優れたお家を作っても、シロアリ被害を放置すると台無しになってしまいます。
日本で起きた大地震と、シロアリ被害の相関を見てみましょう。

阪神淡路大震災、新潟中越地震とシロアリの関係
阪神淡路大震災で倒壊した木造住宅とシロアリの相関


1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災では、兵庫県、大阪府、京都府の約25万棟もの住宅が全壊または半壊し、6,434名の方が亡くなられました。
被害に遭った約8割の人々は、倒壊した住宅の下敷きになってしまったそうです。

京都大学木質科学研究所の調査により、倒壊した住宅の約9割が、シロアリ被害や木材の腐朽により強度が低下していたことがわかりました。
参考:阪神大震災にみる住宅の腐朽およびシロアリ被害|京都大学木質科学研究所

2004年10月23日に起きた新潟中越地震でも、倒壊した約40棟の建物のうち、約7割の住宅がシロアリ被害に遭っていたことがわかっています。
参考:シロアリ・腐朽菌で劣化
 

最近ですと、2016年に起きた熊本大地震で倒壊したお家も、倒壊してしまった古い住宅が、もともとシロアリ被害に遭っていたことが確認されています…。

参考:熊本地震被害調査報告書- 東北大学災害科学国際研究所〜

このような住まいの倒壊は、建築技術の向上により時代と共に減ってきているとはいえ、まだまだ無視できない課題です。

私たちがお家とどう向き合うかによって、お家の耐震性が上がりもすれば、逆に下がることもあります。
シロアリ消毒をすることは、いずれ起きるかもしれない新たな大地震から、あなたのお家を守ることにもつながるのです。

「シロアリ消毒を検討してみようかな「料金や作業の流れについてもっとくわしく知りたい」という方は、当社のサービス紹介ページをご覧ください!

シロアリ消毒をする前におさえておきたい3つの基礎知識

シロアリ消毒の噴射器を持つ作業員


ここからはいよいよ、シロアリ消毒の基礎知識についてお伝えします。
 

当社のお客さまからよくいただく疑問を3つピックアップして、それに回答する形で進めていきますね!

現在シロアリ消毒を検討中の方も、そうでない方も、業界の事情を知っておくことで、正しくお家と向き合えるはず。

というわけで、さっそくまいりましょう。

  1. シロアリ消毒の作業内容は?
  2. シロアリ消毒の「基本料金」ってなに?
  3. シロアリ消毒が「5年に1回」なのはどうして?

1. シロアリ消毒の作業内容は?

床下の木部に薬剤を打ち込む作業員


シロアリ消毒は、床下にシロアリの苦手な薬剤を塗布して行います。

薬剤を塗布する方法は、電動噴射器を使っての散布や、木に穴を開けて中に薬剤を流し込む穿孔注入など、さまざまです。

「小さい子どもやペットへの健康被害が気になる」というお客さまには、薬剤散布以外の方法(毒エサを土に埋め込む「ベイト工法」など)を提案することもあります。

ところで、「シロアリ 業者」などのキーワードで検索すると、たくさんの業者のホームページが出てきますよね。
ここに「基本料金」と書かれた項目がありますが、これがどういう費用なのか、カンタンに説明します。

2. シロアリ消毒の「基本料金」ってなに?

シロアリ消毒の基本料金


シロアリ消毒の費用は、「基本料金 ✕ 床面積(㎡)」で計算します。
基本料金の内訳は、次の通りです。

  • 薬剤の料金
  • 室内の養生(点検口の周りが汚れないようにテープを貼るなど)
  • 駆除・消毒作業
  • 施工後の清掃
  • 作業員の人件費
  • 報告書での説明
  • 5年間のアフター保証(※条件によっては適用外)

基本料金の業界相場は、約3,200円/㎡〜ほど。
これに対して、みんなのシロアリ駆除屋さんの基本料金は1,320円/㎡〜となります(※お家の構造や条件によって前後いたします)。

床面積1㎡あたりの基本料金 床面積30坪のお家 床面積40坪のお家
業界相場 約3,200円/㎡〜 31万7千376円〜 42万3千168円〜
みんなのシロアリ駆除屋さんの消毒費用 1,320円/㎡〜 13万2千円〜 17万6千円〜

実際に駆除や消毒の作業が始まるまでの「床下診断」や「点検」は基本的に0円ですので、この間に業者が信頼できるかどうかを見極めてくださいね!

3. シロアリ消毒が「5年に1回」なのはどうして?

シロアリ消毒は「5年に1回がめやす」と言われています。
これは、消毒で使う薬剤の効果が約5年で切れてしまうからです。

シロアリ消毒剤の歴史について、カンタンに紹介しますね。
そもそも、昔のシロアリ消毒剤はかなり強力で、1度の処理でかなり長い期間シロアリの侵入を防ぐことができました。

しかし昔の薬剤(クロルデンなど)は効果が強力なぶん、土壌汚染やシックハウス症候群の原因になるおそれがあったのです。

そこで1986年、1997年に法律が変わり、日本しろあり対策協会に認定された、人体と自然に優しい薬剤を使いましょう、という方向に切り替わりました。
 

現在、シロアリ消毒の保証期間が5年とされている背景には、そのような事情があったのですね。

シロアリ消毒の必要性まとめ

この記事では、シロアリ消毒の必要性と、消毒にかかる費用について紹介しました。
とくに重要な3つのポイントをQ&A形式で振り返ってみましょう。

  1. Q. シロアリ消毒をしないとどうなるの?
    A. シロアリ消毒をしないと、高額な費用がかかります
    定期的にシロアリ消毒をした場合とシロアリ被害に気づかず放置してしまった場合では、比べ物にならないほどトータルコストに差がでます。また、シロアリ消毒をしないと、お家の耐震性が下がります。
     
  2. Q. シロアリ消毒をしなかった場合にかかる費用は?
    A. 40年間1度もシロアリ消毒をしていないお家で、甚大なシロアリ被害が発覚した場合、修繕を含めたトータル費用は、600万円台にものぼることもあります。
    一方、定期的にシロアリ駆除をしていたお家では、180万〜240万円の範囲内に収まっています。
     
  3. Q. シロアリの存在によって家の耐震性が下がる?
    A. 下がります。
    阪神淡路大震災、新潟中越地震では、倒壊した住宅の7割以上が、シロアリ被害や木材の腐朽により強度が低下していたことがわかっています。

もしあなたが「シロアリから家を守りたい」「今のお家で長く暮らしたい」という考えを持っているなら、定期的にシロアリ消毒をしておくことをオススメします。

これは何も、「私たちがシロアリ駆除業者だから」という理由だけで、消毒をゴリ押ししているのではありません。

これからの日本住宅は、予防歯科と同じように、「定期的なメンテナンスでお家を守りましょう」という考え方がスタンダードになってくるでしょう。

シロアリ消毒も、その1つなのです。
床下を消毒をすることによって、シロアリの侵入を防げるだけでなく、お家のランニングコストを下げ、耐震性を維持できます。

シロアリは土の中に巣を作り、良質な木材を求めて縦横無尽に道をつないでしまいます。
いつ被害に遭うかは、専門家でも予測できません。

「家の中で羽アリを見た」「ご近所が被害にあった」
このような情報を頼りにするしかないのですが……被害が進んでからシロアリ駆除に腰を上げるのでは、遅すぎるのです。

あなたがお家とどう向き合い、どのように生きていきたいか。
この記事を通して、お家との付き合い方を考えるきっかけにしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

シロアリ消毒について、よりくわしい内容を知りたい方は、下記の窓口からお気軽にご相談ください。

▼電話でのお問い合わせ▼
050-3132-0118
※無料相談・年中無休

それでは、あなたが今のお家に愛着を持ち、いつまでも健康で長く暮らせることを祈っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました!

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